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水産振興コラム
進む温暖化と水産業
第36回 
岩手県広田湾におけるカキ養殖とブルーカーボン
〜温暖化にどう立ち向かうか
松政 正俊
岩手医科大学
2025年2月

私の専門は生態学です。主な研究対象は沿岸・汽水域のベントス(底生生物)ですのでマガキには多少馴染みがあり、東日本大震災の後には、岩手県沿岸のマガキ養殖に関する調査・研究も行ってきました。また、アマモなどの海草については、岩手県大槌湾やタイ国南部での共同研究に参画し、2004年12月のスマトラ島沖地震で発生した津波がタイ南部の海草藻場に与えた影響評価と回復についての調査にも参加しました。そうした共同研究において、日本のブルーカーボンに関する研究を現在牽引している水産研究・教育機構の堀正和さんとも知り合い、5年程前に学会でご一緒した際に、農林水産省の委託プロジェクト研究「ブルーカーボンの評価手法及び効率的藻場形成・拡大技術の開発(JPJ008722、委託先代表機関:国立研究開発法人水産研究・教育機構)」へのお誘いを受け、岩手県水産技術センターとともに参画することになりました。

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