静岡県富士宮市は富士山の湧水に恵まれ、富士の裾野に位置する富士養鱒場には、1990年代に建てられた「虹鱒供養塔」がある。
ニジマスはもともと日本にいなかった魚である。1877(明治10)年に、米国カリフォルニアからニジマスの卵が移入され、ふ化飼育されたことから国内でのニジマス養殖が始まった。当初は湖沼への放流が行われていたが、明治後半に国内で飼育した親魚から採卵するようになり、以後は国産卵によるニジマス養殖が行われるようになった。1926年(大正15年)「水産増殖奨励規則」の公布によって、全国にふ化場や養殖場ができ、さらに昭和に入ると養鱒の事業化が進む。国内各地でニジマスの内水面養殖が盛んになる時期、1936年(昭和11年)に、静岡県水産試験場富士養鱒場※が竣工。