本稿は、世界最大のサーモン養殖生産国であるノルウェーの養殖業について、その歴史的発展と経済的側面を分析するものである。近年、日本でもサーモン養殖が注目を集め、各地でブランドサーモン養殖などの新たな取り組みが始まっているが、その発展形態はノルウェーとは異なる道を歩んでいる。ノルウェーのサーモン養殖業は、フィヨルドという特殊な地理的環境を活かした海面養殖から始まり、約半世紀にわたる発展の中で数々の技術革新、産業政策、環境課題との調和を経験してきた。この豊富な経験から日本が学べる点は多い。
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