水産振興ONLINE
650
2025年6月

海洋水産技術協議会ワークショップ「進む温暖化と水産業」

長谷成人(海洋水産技術協議会/東京水産振興会)
和田時夫(海洋水産技術協議会/全国水産技術協会)
堀正和(水産研究・教育機構水産資源研究所)

開会のあいさつ

司会 皆さま、お待たせしました。時間となりましたので開始いたします。本日司会を務めさせていただきます (一社) 漁業情報サービスセンターの黒萩と申します。事務局からの報告によりますと、本日のワークショップは総計192名、うちZoom139名、会場53名のご参加をいただきました。お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。円滑な進行を務めさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

さて、本日のワークショップでは、既に (一財) 東京水産振興会のホームページ等でご案内しましたとおり、「進む温暖化と水産業」と題しまして、3人の講師をお招きしてご講演いただきます。講演に先立ちまして、主催者を代表して海洋水産技術協議会の長谷議長からご挨拶がございます。長谷議長、よろしくお願いします。

長谷 皆さんこんにちは。本日は年度初めのお忙しい中、多くの方々にご参加いただき、ありがとうございます。

本日のメインテーマである温暖化問題につきましては、われわれ水産界だけ、さらには日本だけではどうにも対応できない世界的に喫緊の課題となる中、パリ協定という国際的な枠組みのもとで対策が進んできたわけですけれども、トランプ大統領の登場により協定からの米国の再離脱という事態になっています。さらにトランプ関税の問題も加わり、世界経済の見通しは混迷を極めています。

そういう大きな状況変化のもとで、水産界はどうしても受身の対応にならざるを得ないのですが、その状況に関して知識を持ち、理解を深め、少しでも主体的に取り組めるようにすべく、情報提供をしたいということで活動しています。そうした一環としての本日のワークショップです。

協議会構成10団体の共催ということで、団体名を読み上げる時間がもったいないので省略させていただきますが、いろいろとご協力いただきましてありがとうございます。本日はよろしくお願いします。(拍手)

司会 ありがとうございました。ここで皆さまに幾つかお願いがあります。講演中は携帯電話やスマートフォンの電源をお切りいただくか、マナーモードに設定をお願いします。本日のワークショップでは、それぞれの講師のご講演の後に5分程度の質疑応答時間を設けています。また、全てのご講演が終了した後、25分程度の意見交換会を予定しています。さらに、Zoomの参加の皆さまには、チャットメッセージでの質問も受け付けています。よろしくお願いします。全ての終了は16時30分を予定していますので、ご協力方よろしくお願いします。

長谷 成人(はせ しげと)

1957年9月 東京都調布市出身
1981年3月 北海道大学水産学部水産増殖学科卒
1981年4月 水産庁入庁
※ 資源管理推進室長、漁業保険管理官、沿岸沖合課長、漁業調整課長、漁場資源課長、資源管理部審議官、増殖推進部長、次長、長官 など
※ この間、外務省、北太平洋溯河性魚類委員会、宮崎県庁等に出向
※ ロシア、中国、韓国等との漁業交渉において日本政府代表
※ 長官在職中に再エネ海域利用法が成立
2019年7月 水産庁退職
2019年11月~ (一財) 東京水産振興会理事
※ 水産振興ONLINEで「定置漁業研究」、「洋上風力発電の動向が気になっている」、「ブルーカーボンで日本の浜を元気に」、「進む温暖化と水産業」のリレーコラムを企画・執筆
2022年3月~ 海洋水産技術協議会代表・議長
※ 海洋・水産の技術を基盤とする10組織による任意組織。22年6月「洋上風力発電施設の漁業影響調査実施のために」を公表
2024年6月~ (一社) 海洋産業研究・振興協会顧問

和田 時夫(わだ ときお)

1954年京都府舞鶴市生まれ。1977年長崎大学水産学部卒業。
水産庁勤務(研究所、増殖推進部)の後、(国研) 水産研究・教育機構理事、(一社) 漁業情報サービスセンター会長を経て、2023年7月から(一社) 全国水産技術協会専務理事。この間、北太平洋海洋科学機関 (PICES)、日本水産学会、水産海洋学会の運営にも参画。専門は、マイワシなどの小型浮魚類の資源動態と資源管理。
近年は、ICTや再生可能エネルギーを利用した水産業の振興、水産・海洋分野における気候変動への適応・緩和や不漁対策、UUV・USV技術の水産資源・海洋調査への応用などにも関心。関連のプロジェクト、総合海洋政策本部参与会議PT、水産庁の不漁対策関係の検討会、海洋産業タスフォース、AUV官民プラットフォームなど、各種委員会や研究会にも参加。
近著:水産海洋ハンドブック第4版(編・著)/ (一財) 東京水産振興会の連載コラムに水産資源、地球温暖化、洋上風力発電関連の記事を執筆中。
農学博士(東京大学)。日本学術会議連携会員(2017-2023/第24-25期)。水産海洋学会名誉会員。

堀 正和(ほり まさかず)

2003 年北海道大学大学院水産科学研究科博士後期課程修了、博士(水産科学)。日本学術振興会特別研究員(東京大学)を経て、2006年独立行政法人水産総合研究センター研究員。現在、国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所 社会・生態系システム部 沿岸生態系暖流域グループ長。2021年より、東京海洋大学大学院・海洋生命資源科学専攻 客員教授。ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 顧問。