一般財団法人 東京水産振興会

水産振興ONLINE

2019年9月の「水産振興ONLINE」開設以来、『水産振興』は印刷冊子およびウェブ版で皆様にご愛読いただいてまいりましたが、第635号の刊行を以て印刷冊子は終了し、第636号以降はウェブ版のみの公開とさせていただきます。つきましては、今後、新刊情報を電子メールでお知らせしてまいりますのでメール配信登録」よりご登録いただき、引き続き「水産振興ONLINE」で『水産振興』をご覧ください。
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最新刊
水産振興コラム
初めての「豊洲市場活用マニュアル」
八田 大輔
(株)水産経済新聞社
8

「市場見学する」編

豊洲市場と本格的に付き合おうと検討しているなら、水産物が現場でどう扱われているのか直接確認しておきたい。「百聞は一見にしかず」で、百の説明より、一度の見学だろう。場内は業務エリアと一般エリアが分離し、一般エリアの通路から自由見学可能。ただ、それとは別にもう少し踏み込んだエリアに立ち入れる団体・業者向け視察も受け入れている。申し込みルートを整理した。

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水産振興コラム
豊洲市場・旬な市場人
福地 享子
築地魚市場銀鱗会
5

現場6年・ミス冷蔵庫

下間帆乃(ほの)、1999年秋田県生まれ。秋田県立男鹿海洋高等学校海洋科を卒業、豊洲市場にある冷蔵冷凍保管事業を主とする株式会社ホウスイに入社して6年になる。

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水産振興コラム
初めての「豊洲市場活用マニュアル」
八田 大輔
(株)水産経済新聞社
7

「卸への出荷」編②

「卸への出荷」編の後編として、水産卸売場棟3階を舞台とした塩干・加工品販売を紹介する。北陸地方のねり製品メーカーで、各種カマボコを地場のスーパーに卸していたCさん。このたび加工場を一新し、県の予算支援で地魚のスリ身の揚げカマを新開発したのを機に、2代前まで付き合いの深かった中央魚類(株)を通じて豊洲市場への再進出を検討していた。

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水産振興コラム
進む温暖化と水産業
7

洋上風力発電で漁業者が混乱している

窪川 敏治
㈲金城水産 / 石川県定置漁業協会

「みなさんの隣接する海域が洋上風力発電の計画地に指定されました。つきましては、その後の漁業振興策についてご要望を伺えれば—。」 漁協支所に発電事業者が来て、いきなり地元漁業者にこう言い放ったのは、今から3年前、2020年3月のことだった。それまで、挨拶程度に当時の支所運営委員長や参事のもとは訪れていたようだったが、漁業者にとっては、何をいきなり、である。

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水産振興コラム
初めての「豊洲市場活用マニュアル」
八田 大輔
(株)水産経済新聞社
6

「卸への出荷」編①

各地の出荷者は、豊洲市場を使うことでさまざまなメリットを享受できる。特に人的資源に乏しい中小・零細荷主の強い味方だ。連載「豊洲市場活用マニュアル」では今回から「卸への出荷」編として、まずは鮮魚出荷者の視点で紹介する。九州北部の産地仲買人のBさんは、春に地元でまとまるまき網の天ダイを、新たに豊洲市場へ出荷してみようと考えていた。

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水産振興コラム
進む温暖化と水産業
6

ルポ「定置網が向き合う課題」(下) 石川・加賀(洋上風力発電編)

中島 雅樹
株式会社水産経済新聞社

5月中旬、石川・七尾市の和倉温泉で、石川県定置漁業協会主催の勉強会が開かれた。テーマは「洋上風力発電」。県内にまだ正式な計画はないが、県境に接する福井・あわら市沖の計画が気になるからだ。福井県だけでなく、反対側の隣県・富山県で計画が進めばどうなるか。講師として招かれた長谷成人 (一財)東京水産振興会理事の講演「洋上風力と漁業—洋上風力発電の動向が気になっている」のタイトルがまさに参加者の関心を言い表していた。

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水産振興ウェブ版
642
20238

海洋放出を漁業者は認めない

濱田 武士

東京電力福島第一原子力発電所の敷地内タンクに貯まり続けているALPS 処理水の海洋放出計画に対して、日本の漁業者は反対の姿勢を貫いている。本稿では、現在まで続く原子力災害=原発事故の影響で、苦しい立場に置かれ続けている福島県の漁業や水産物マーケットの動向などを踏まえ、海洋放出計画に対して漁業者が不信感を抱き、反対を表明する理由を明らかにするとともに、国として果たすべき責任について述べる。

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水産振興ウェブ版
641
20237

漁業者の収入を守る—分かりやすい漁業共済・積立ぷらす—

小野 征一郎

漁業共済とは損害保険のことである。漁業にとって不漁は付き物といってよいが、2011 年度民主党政権が創設し、内閣交代後自民党が継承し、資源管理・漁業所得補償制度が水産政策の基調となった。それはユニークな収穫高保険(価格×数量)である漁獲共済①・特定養殖共済②ならびに、通常の物損保険である養殖共済③―3 共済―からなり、漁具共済・地域共済が加わる。

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水産振興コラム
進む温暖化と水産業
5

ルポ「定置網が向き合う課題」(上) 石川・加賀(温暖化と経営編)

中島 雅樹
株式会社水産経済新聞社

福井県との県境に位置する石川・加賀市。午前3時の橋立漁港には、第八金城丸(18トン)のライトだけがともっている。「おはようございます」。三々五々集まってきた乗組員が氷やダンベ(タンク)を積み込み始めること15分。あっという間に準備を済ませ、船は沖に向かった。金城丸は加賀市沖で定置網3か統を営む (有)金城水産の作業船。率いるのは船主船頭の窪川敏治社長(43) だ。日本海特有のシケの厳しい12月から翌2月末以外、年間を通して操業する。この時期は、40センチ程度のブリの幼魚フクラギや、近年、主力魚種になっているサゴシ(小型のサワラ)が中心の漁になる。

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水産振興コラム
おさかな供養のものがたり
9

ウナギの供養祭を訪ね歩く

関 いずみ
東海大学

浜名湖の湖畔に一体の魚籃観音(うなぎ観音)が立っている。1937(昭和12)年9月に建立されたこの観音像には、建立の前年の11月に東海三県の養魚組合や魚商組合等が主催して鰻霊供養と放生会が執り行われたこと、養殖の経営のために犠牲になった多くのウナギの霊に対して冥福を祈るとともに、未来永劫の養殖業の発展を祈願するために、この観音像を建立したことが記されている。寄付者を見ると、青森、栃木、群馬、東京、三重、福井、滋賀、京都、山口と、全国の水産会社、運送会社、養魚組合、仲買組合、冷凍鰻移出組合、養魚株式会社等の関係者が名前を連ねている。

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水産振興ウェブ版
640
20236

海洋水産技術協議会ワークショップ
「ブルーカーボンとカーボンクレジット—課題と展望」

堀 正和/桑江 朝比呂

温室効果ガス排出量の削減が全世界的な目標となり、各国でさまざまな取り組みが進む中、海藻や海草など炭素を吸収・固定するブルーカーボン生態系への注目が高まっています。本号は、2023年2月17日に海洋水産技術協議会が主催したワークショップ「ブルーカーボンとカーボンクレジット-課題と展望」の概要を取りまとめたもので、ブルーカーボンに関する技術開発や、カーボンクレジット制度(温室効果ガスの排出権取引の仕組み)の現状や課題を学び、今後のわが国水産業への効果的な組み込みなどについて活発な議論を行いました。

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水産振興コラム
豊洲市場・旬な市場人
福地 享子
築地魚市場銀鱗会
4

5代目修行中

泉澤裕介1983年生まれ、40歳。仲卸「カネ重」の5代目である。
後継者がいないため、閉店に至った仲卸は少なくない。そんななか、泉澤さんは、10年余りのサラリーマン生活を経て、父の跡を継いだ。

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水産振興コラム
おさかな供養のものがたり
8

波乗りフグとふく殿の供養

田口 理恵
元東海大学

2011年4月29日、下関の南風泊(はえどまり)市場で下関ふく供養祭が行なわれた。広い場内の奥に祭壇が設けられ、両サイドの長い壁には全国各地のフグ関係者による花輪がずらりと並び、その様は圧巻である。下関における初のフグ供養祭は、1930(昭和5)年3月16日に関門ふく交友会の面々により、壇之浦そばの料亭魚百合で執り行われ、祭壇を設けた大広間には、関門ふく交友会はじめ下関の関係者のほか、東京や大阪方面から駆けつけたフグ料理関係者が集まったという。それ以来、下関では毎年フグ漁の終わるころにフグの供養祭が行われ、戦争中に中断するものの1950(昭和25)年には復活し、今年で72回目のフグ供養祭を迎えた。

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水産振興ウェブ版
639
20233

コロナ禍が水産物中央卸売市場にもたらした影響の考察
~伝統的な社会調査と新たなデータサイエンスの視点から~

大石 太郎

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行は、我が国の水産物供給において重要な役割を担う中央卸売市場に大きな影響をもたらした。効果的な対策のためには事実(ファクト)に基づいた判断が不可欠であるが、情報化の進展によって研究現場におけるファクトへのアプローチ方法が急速に変化しつつある。本稿では、伝統的な社会調査と新たなデータサイエンスの観点から2つの研究を紹介することで現在明らかになっているファクトと望まれる対策を示すとともに、今後の研究現場を展望する。

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水産振興コラム
洋上風力発電の動向が気になっている
長谷 成人
(一財)東京水産振興会/海洋水産技術協議会
番外編その2

洋上風力発電の沖合展開について

洋上風力発電については、2018年12月に成立した再エネ海域利用法に基づき検討が本格化し、21年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における2030年までに10GWの案件形成をという目標に対し、これまでに秋田県、新潟県、千葉県、長崎県において約3.5GWの案件がまとまってきました。

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水産振興ウェブ版
638
20232

“千客万来”の築地場外市場となるために
~『食のまち 築地』の近未来~

八田 大輔

業界紙記者として築地市場移転問題を追ってきた成果などを元に、本体を失ったことで岐路に立つ築地場外市場の活性化の道を考察する。「商品コンセプト理論」を商店街分析に転用し、築地場外市場から来場者が享受可能なベネフィット(利便性・満足感)が「プロ向けの食材・道具が手に入る(楽しめる)」点にあると示す。築地市場の移転先の豊洲市場、築地跡地、周辺エリアの動向などの背景を整理したうえで、活性化には旧築地市場の機能を補完する施設「築地魚河岸」を中核として運営することを前提に、①プロの小口客を増やす ②食の外部化に対応する ③「食のまち」以外の魅力を深耕する—3つの方向性があると示唆。関係者間でベネフィットを認識共有し、それに基づいた活性化策に取り組むよう提案する。

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水産振興コラム
ブルーカーボンで日本の浜を元気にしたい
16

結びに変えて:ブルーカーボンで
日本の浜を元気にするために

堀 正和
国立研究開発法人 水産研究・教育機構

コラムも最後の連載となりました。この最終回まで全15回、行政、研究者、漁業者、企業など多方面から寄稿していただいたおかげで、いまや不可避となった温暖化対策について、海辺ではどのようにブルーカーボンを展開していけるか、展開していく上での問題点は何か、包括的に考えることができました。本コラム全体の内容をまとめると、行政では、各省庁が脱炭素社会の構築にむけて、ブルーカーボン吸収源の制度化と海藻バイオマス活用の推進を目指していました。それを受けて、地方自治体が浜と一緒になって運用試験を開始していました。浜でも、漁業者が独自に取り組んできた藻場再生や磯焼け対策に加えて、気候変動対策という大きな目標をやりがいに変えて、よりいっそう活動を発展させようとする気概を感じることができました。このような動きに企業が賛同し、自社の社会への責任だけでなく、地球環境と人間社会の持続可能性を向上させるべく、熱意をもってSDGsの達成や気候変動対策に取り組む姿を垣間見ることができました。

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水産振興コラム
船上カメラマンとして見つめた水産業
神野 東子
10

凍てつく海

今年も寒い冬がやって来た。秋に比べて一段と冷たくなった風が肌に刺さると、意識が一気に冬へと向かう。寒さでピンと張り詰めた空気から感じる匂いも何だか冬っぽい。道行く人もマフラーにコートにと厚着になっていく。忙しない師走の雰囲気を感じるたび「もう今年終わっちゃうの?!」と毎年心の中で呟くのは私だけではないだろう。木々は葉を落とし、空の色も淡くなる。いつも見る景色が慎ましい色彩になると、みんなの感性がなんとなく豊かになって普段は気付かないことに気付いたりする。そんな季節の移ろいが日本人の細やかさを育んでいるのかもしれない。

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水産振興コラム
水族館の飼育係と「食」との交わり
新野 大
高知県立足摺海洋館 館長
16

青森県、西海岸の「イカ焼き通り」

南の海の話が続いてしまったので本州最北端、青森の話を。1981年の冬のことである。水族館の飼育係になってまだ3年しか経っていない僕に、陸奥湾の湾奥部にある青森市の浅虫地区に新しい水族館を建てる計画があるので手伝わないか、というお誘いが舞い込んできた。当時浅虫には、東北大学の臨海実験所に付属した小さな水族館があった。“浅虫の水族館” と多くの県民に慕われていた施設だったのだが、臨海実験所の建て替えに伴い取り壊してしまうことになった。そこで青森県は新たに県営の水族館の建設を計画したのだ。以上の経緯については、連載第3回目でも書かせていただいたが、今回はその続編である。

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水産振興 資料館

東京水産振興会が60年以上の事業のなかで蓄積してきた膨大な水産業資料の一部を閲覧できます。逐次追加。

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バックナンバー
  • 初めての「豊洲市場活用マニュアル」

    第8回 「市場見学する」編

    八田 大輔
    水産振興コラム
    20239
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  • 豊洲市場・旬な市場人

    第5回 現場6年・ミス冷蔵庫

    福地 享子
    水産振興コラム
    20238
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  • 進む温暖化と水産業

    第7回 洋上風力発電で漁業者が混乱している

    窪川 敏治
    水産振興コラム
    20238
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  • 海洋放出を漁業者は認めない

    濱田 武士
    水産振興ウェブ版
    水産振興ウェブ版 第642
    20238
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  • 漁業者の収入を守る
    —分かりやすい漁業共済・積立ぷらす—

    小野 征一郎
    水産振興ウェブ版
    水産振興ウェブ版 第641
    20237
    つづきを読む
  • 海洋水産技術協議会ワークショップ
    「ブルーカーボンとカーボンクレジット—課題と展望」

    堀 正和/桑江 朝比呂
    水産振興ウェブ版
    水産振興ウェブ版 第640
    20236
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