2019年9月の「水産振興ONLINE」開設以来、『水産振興』は印刷冊子およびウェブ版で皆様にご愛読いただいてまいりましたが、第635号の刊行を以て印刷冊子は終了し、第636号以降はウェブ版のみの公開とさせていただきます。つきましては、今後、新刊情報を電子メールでお知らせしてまいりますので、「メール配信登録」よりご登録いただき、引き続き「水産振興ONLINE」で『水産振興』をご覧ください。
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私からは漁業者としてのブルーカーボンに関する取組についてご紹介します。
私が地元で定置網漁業に就業したのは平成15年12月。当時から“魚価安、燃油高、資源の減少、高齢化”など今でも続く問題が多くありました。
「豊洲市場における仲卸業者へのアンケート調査報告書」に取りまとめられたもののうち、今回は顧客構成について行われた複数の分析の中から2つのテーマを取り上げる。「顧客の来店頻度と注文方法」では、取引顧客数全体に占める割合を移転前の築地時代と移転後の豊洲時代で比べた。「増えてほしい買出人の業態」では、18業態の選択肢から増えてほしい理由とともに尋ねている。
つづきを読む「どうして・こうする・こうなった」という問題解決の流れがあります。こと、“足元のウナギが消える”という問題では、一連の解決までの流れが細かく、現在も問題は続いています。しかし、近年、研究ではなく現場での問題解決につながる「ウナギの寝床創り」石倉カゴの技術展開が進み、その現場での実行事例がでてきました。そこで本稿では、展開された技術と製品とその普及などの概要、「こうする・こうなった」の現時点の状況を紹介します。
つづきを読む今回は「豊洲市場における仲卸業者へのアンケート調査報告書」の中から、「販売金額に占める注文予約の割合」「店頭渡しと配送の割合」に注目する。豊洲市場移転の前後で、仕入れ・販売の実態はどう変化したのか。日々の安定取引につながるとされる事前注文予約取引の増減と、それにより確保した商品を顧客に対して実際に渡す際の手段の変化をみていく。
つづきを読む藻場は、水産生物の産卵場や幼稚仔魚の生育の場として水産上重要であり、水産庁としてもその保全・創造を推進してきたところですが、その藻場によるCO2吸収(貯留)機能がブルーカーボンとして新たに脚光を浴びていることに我々としても高い関心を持っており、ブルーカーボンが藻場の保全・創造をさらに後押ししてくれることを期待しております。
つづきを読む第2回~第4回までは市場を利用する買出人側からの意見を紹介してきた。第5回以降は目線を変えて、場内事業者である水産仲卸業者からみた豊洲市場の実態を紹介する。2020年11月に行ったアンケート結果をまとめた「豊洲市場における仲卸業者へのアンケート調査報告書」を読み解いていく。まずは移転前後の「営業・店売りの時間」「顧客との決済方法」の変化に着目した。
つづきを読む昨年、この水産振興コラムにおいて「洋上風力発電の動向が気になっている」とのタイトルで16回のリレーコラムを連載し、さらにそれを総括する座談会については、「水産振興」第634号として先日公表したところです。座談会の中でも取り上げられた漁業影響調査のあり方について進展がありましたので、リレーコラムの言わば番外編としてご報告します。
つづきを読む2020年より開始されたパリ協定に基づき、地球温暖化の緩和に向けた温室効果ガス(GHG)の排出削減が世界各国で取り組まれています。我が国においても、2021年10月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」の中で、政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向けた基本的な考え方等を示しました。産業活動上どうしても避けられないGHG排出がある一方、そのGHGを吸収する森林や農地土壌等の重要性が高まっており、その一つとして、藻場についても新たな炭素吸収源としての可能性に大きな期待が寄せられています。本稿では、農林水産省におけるブルーカーボンの活用に向けた取組について紹介します。
つづきを読む沖縄・宮古諸島の宮古島と池間島を結ぶ海上道路「池間大橋」を渡っていると、青碧色の海の彼方に、裾野の広いピラミッドのような島が見える。
大神島だ、キングコングの住んでいそうな島である。何度か訪れた宮古島だが、今まで意識したことはなかったのだが、今回は島の名物 “カーキダコ” と呼ばれる島ダコの燻製を食べたくて、大神島への上陸を試みた。
「豊洲市場における買出人の仕入れ実態調査報告書」の内容紹介の最終回は、新型コロナウイルスによる仕入れ・販売への影響に焦点を当てる。この調査からみえる結果は、東京都が感染拡大第3波に伴う緊急事態宣言を発令していた2021年1~2月当時のものである。新型コロナが水産物取引に与えた影響の全体像や、仕入れ総額の変化と買出人の業態の関係をみていく。
つづきを読む私からは国土交通省港湾局によるブルーカーボンに関する取り組みについてご紹介します。
島国の日本では、港湾は輸出入貨物の99.6%が経由し、かつCO2排出量の約6割を占める発電、鉄鋼、化学工業など多くが立地するエネルギーの一大消費拠点でもあり、港湾地域はCO2削減の余地が大きい地域であると言えます。
2021年5月から2021年12月まで水産振興ONLINEで連載コラム「洋上風力発電の動向が気になっている」を公開し、洋上風力発電と漁業について様々な角度から関わってきた方々からの寄稿をいただいた。連載15回の締めくくりとして2022年1月12日、連載に登場した執筆関係者ならびに省庁関係者を招いて座談会を開き、コラムを通じて浮かび上がってきた課題など改めて議論を深めた。当日の内容を紹介する。
つづきを読む司馬遼太郎先生の「坂の上の雲」の「抜錨」の章に、秋山真之参謀の「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」の一節があることは有名です。明治38年5月27日に日露戦争・日本海海戦の行われた対馬海峡は、低気圧通過後の晴天で、視程が良いものの等圧線の間隔が狭く、風強く浪高い状態が続いていました。もともとは、岡田武松気象官が熟考の末、一個の断をくだした「天気晴朗なるも浪高かるべし」が基となり、秋山参謀が、この予報文をとりあげ、さらに簡潔にし、「本日天気晴朗なれども浪高し」としたものです。つまり「天気晴朗」とは視程が遠くまで届くため、とりにがしは少なく、砲術においても視界が明瞭であれば命中率が高くなり、撃滅の可能性が大いに騰がることを示唆し、「浪高し」とは、長途の航海を経てきたバルチック艦隊に比して射撃訓練の充分な日本側のほうに利し、「きわめてわが方に有利である」気象条件であったことを示したものと言われています。
つづきを読む近年、日本の食とかかわりの深いニホンウナギ、クロマグロなど資源の状況が悪化している魚や、サンマ、スルメイカ、サケなど普段の食卓にかかせない魚でありながら漁獲状況が安定せず価格が高騰しているものがあり、またサワラのように、これまで漁獲・利用されてきた西日本の主要産地ではピーク時に比べて漁獲量が減少した一方で、あまりなじみのない東北など北の海域で大量に漁獲されるなど、魚種により漁獲状況に変化が起きています。同じ日本国内でも、食文化は多様であり、利用習慣がない地域では、大量に漁獲されても有効に利用・消費できないこともあります。多くの魚種で資源状況が低迷する中、貴重な海の幸の有効利用が望まれます。
つづきを読む年末年始、ついつい食べ過ぎて太ってしまった。懲りずに毎年同じ事を繰り返しているのだから、我ながら呆れたものだ。でもやっぱり、部屋でぬくぬくテレビを見ながらおせち料理をつまんで過ごすのは幸せだ。日本のお正月には、新年を迎えるのに相応しい食材を重箱に詰めた「おせち料理」を食べる、という素晴らしい文化がある。
つづきを読む日本は、国土面積の11.9倍、世界で第6位の広い海洋(EEZ)に囲まれています。また、春夏秋冬の気候にも恵まれています。このような地理的条件から日本人は古くから米を主食とし、栄養的に卓越した水産物を主な食材(タンパク質)として特色ある日本型食文化(食生活)を形成し、生きる力を維持してきました。昭和20年、終戦後の食糧難の時期を経て、昭和33年、調理の業務に従事する者の資質を向上させ、日本人の食生活の向上を主たる目的として調理師法(昭和33年5月10日法律第147号)が厚生省(現在の厚生労働省)から公布され(栄養士法は昭和22年12月29日法律第245号)、昭和34年、調理師学校等17校が調理師養成施設として厚生省から指定されています。高等学校では、福岡市立福岡女子高等学校食物科が1校だけ、昭和36年4月16日に厚生省から調理師養成施設校として指定されたのが、嚆矢です。
つづきを読む東京・豊洲市場の移転事業が一段落したことを受け、2020年9月から2021年8月まで連載「豊洲市場 水産物流通の心臓部」を公表し、市場の将来を担うであろうキーマンの市場人に豊洲市場の果たす役割と現状、そして市場の活性化で目指すべき将来像の話を聞いた。連載11回の締めくくりとして8月23日に、連載に登場した主要水産流通関係者を招いて豊洲市場内の講堂で座談会を開き、連載記事を下敷きに、改めて議論を深めた。浮き彫りになったのは「イノベーション」の必要性だった。当日の内容を詳報する。
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