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漁村地域における交流と連携
—最終報告—

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事業報告書

漁村地域における交流と連携
—最終報告—

要旨

わが国の多くの漁村では魚価低迷や後継者不足などの厳しい状況が続いていますが、その一方で、都市住民等との交流・連携による活性化を積極的に図っている地域も少なくありません。これらの漁村地域では、地場の魚介類や沿岸漁業、観光名所などの地域資源を有効に活用して、水産物販売や観光・レジャー分野など新たな事業展開を行い、交流を進めています。

本来、水産業・漁村は環境保全や文化の継承など、水産物の供給以外でも多面的な機能を有していることから、水産基本法でその施策の充実が謳われています。また、観光や学習の場など、都市住民が漁村に期待する役割も多様化しています。こうした社会的背景もあり、漁村地域が有する様々な機能や資源を活かした事業展開や活性化は、ますます注目されています。

そこで当会では、全国の漁村地域における様々な事業展開や活性化の先進事例を調査し、その成功要因や課題等を明らかにすることで、他地域でも展開し得る条件や方策を見出すため、2001年度から2003年度の3か年にわたり標記の調査研究事業を実施いたしました。

事業の実施に際しては、漁業・水産および観光や農業経済、フードシステム等、様々な分野の専門家による委員会を設置し、多角的な視点での課題整理や分析を行いました。また、事業展開・活性化の内容に応じて、①水産物のブランド化、②ダイビング事業、③産直システム、④体験・観光漁業、⑤漁村民宿、⑥遊漁の6つの調査研究テーマを設定し、それぞれの先進事例について、北海道から沖縄県に至る全国数多くの地域での現地調査を各年度で実施いたしました。

それらの調査研究成果は下表のとおり、2002年度および2003年度の各報告書に取りまとめ、また、他の漁村地域でも役立てていただける様、事業展開に必要な具体的事項をテーマ別に簡潔に整理したマニュアル集「事業展開のための手引き」も2003年度に作成し、それぞれ刊行、公表いたしました。

報告書概要
年度 報告書副題 主な掲載内容
2002年度 平成14年度報告 総論、事例調査報告(水産物のブランド化、ダイビング事業、産直システム)
2003年度 最終報告 総論、事例調査報告(体験・観光漁業、漁村民宿、遊漁)、交流と連携に関する論点
2003年度 事業展開のための手引き テーマ別のマニュアル

目次

  • I 総論 漁村地域における交流と連携
  • II 実証編第1部 —体験・観光漁業—
    • 1. 体験・観光漁業の分析の枠組み
    • 2. 富山県氷見地区における体験漁業(体験定置網)
    • 3. 福井県丹生漁協
    • 4. 愛知県南知多町日間賀島における体験・観光漁業の状況
    • 5. 加工体験漁業の取り組み—京都府舞鶴市野原漁協—
    • 6. 兵庫県明石浦漁協、神戸市漁協
    • 7. 太平洋岸におけるホエールウォッチング事業
      —高知県と和歌山県の3地域の事例から—
    • 8. 熊本県芦北郡芦北町 打たせ船の観光漁業(伝統漁法)
    • 9. 体験・観光漁業 石垣市サバニクルーズ
  • III 実証編第2部 —漁村民宿—
    • 1. 分析の枠組み
    • 2. 北海道島牧村における民宿の経営実態
    • 3. 富山地域における民宿経営の展開と地域活性化—岩井民宿組合のケースから—
    • 4. 千倉地域における民宿経営の展開と再編戦略—千倉町民宿組合のケースから—
    • 5. 新潟県佐渡島小木地域の観光・交流と課題
    • 6. 漁村民宿の展開—三方町の事例—
    • 7. 伊根町の舟小屋と民宿
    • 8. 網野町の民宿・旅館
    • 9. 岡山県牛窓町における民宿の状況
    • 10. 愛媛県西海町における民宿の経営実態
  • IV 実証編第3部 —遊漁—
    • 1. 遊漁分析の枠組み
    • 2. 都市近郊型遊漁船業の展開—平塚市漁協の遊漁船業を事例に—
    • 3. 石川県輪島地区における遊漁の取り組み
    • 4. 明石浦漁協における遊漁船業の展開
    • 5. 隠岐島前地域における渡船業の展開
    • 6. 福岡県能古島地区における遊漁船業の展開
    • 7. 長崎県対馬における遊漁船業の展開
    • 8. 長崎県平戸市志々伎(宮ノ浦)地区における遊漁船業の展開
  • V 交流と連携に関する論点
    • 1. 交流・連携の担い手としての協同組合の可能性—地域社会との関連を中心に—
    • 2. 漁村地域資源の利用と管理—海業(うみぎょう)振興の視点から—
    • 3. 交流・連携の担い手と漁協の役割
    • 4. 地域社会における資源の活用とリーダー
    • 5. 「民宿業」の存在性
    • 6. 漁村景観の保全 —「共生の形」を伝えるために—

委員等

  • 座長小野 征一郎 (近畿大学農学部 教授)
  • 委員磯部 作 (日本福祉大学社会福祉学部 教授)
  • 伊藤 康宏 (島根大学生物資源科学部 助教授)
  • 北川 太一 (京都府立大学農学部 講師)
  • 斎藤 修 (千葉大学大学院自然科学研究科 教授)
  • 地井 昭夫 (広島大学大学院教育学研究科 教授)
  • 波積 真理 (熊本学園大学商学部 助教授)
  • 日高 健 (近畿大学農学部 助教授)
  • 溝尾 良隆 (立教大学観光学部 教授)
  • 婁 小波 (東京海洋大学海洋科学部 教授)
  • 若林 良和 (愛媛大学農学部 教授)
  • 調査員木下 明 ((財)日本システム開発研究所 研究員)
  • 宋 政憲 (釜慶大学校海洋産業政策学部 助教授)
  • 竹ノ内 徳人 (金沢工業大学人間情報システム研究所 研究員)
※ 所属は刊行当時のもの。敬称略・順不同。

刊行

2004年

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ステータス

冊子:在庫なし

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