開会のあいさつ
司会 皆さん、こんにちは。時間となりましたので開始いたします。本日はシンポジウム「ALPS処理水の海洋放出と水産物輸出を巡る現状と課題」にご参加いただきまして、ありがとうございます。
本日のシンポジウムは、(公財)水産物安定供給推進機構、全国水産加工業協同組合連合会、および(公社)日本水産資源保護協会の共催により、(一財)東京水産振興会が開催いたします。最初に主催者を代表しまして、東京水産振興会会長の渥美からごあいさつ申しあげます。
渥美 皆さん、こんにちは。本日はお忙しい中、ALPS処理水の海洋放出と水産業への影響をテーマとするシンポジウムにご参加いただき、誠にありがとうございます。ご承知のとおり、福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を受けて、中国など複数の国や地域で日本産水産物の輸入規制が行われました。その結果、多くの漁業者や水産加工業者の方々が大きな影響を受け、国による支援事業や東京電力への損害賠償請求といった動きも進められています。
本日のシンポジウムでは、私どものウェブサイト「水産振興ONLINE」への寄稿などを通じて、この問題を分析された濱田武士先生をはじめ、現場で対応に当たってこられた講師の皆さまから、現状と課題についてお話をいただきます。
ALPS処理水の放出がもたらした影響を改めて見つめ直し、今後の水産業の発展につなげるための意見交換の場となれば幸いです。本日はどうぞよろしくお願いします。では、長谷さんにバトンタッチします。
司会 申し遅れましたけれども、私は本日進行役を務めさせていただきます、東京水産振興会で理事をしています、長谷と申します。よろしくお願いします。それから、本日は会場とオンラインを合わせまして、約130人の方に参加申込みいただきました。ありがとうございます。
本日はオンライン併用で実施いたしますが、このシンポジウムにつきましては質疑応答や意見交換を含めて後日文字起こしし、東京水産振興会のウェブサイト「水産振興ONLINE」において「水産振興誌」として公表する予定です。
また、最後に質疑応答や意見交換の時間を30分取っているのですが、その際には会場の方のご発言やご質問を優先させていただきたいと思っています。時間の関係で取り上げきれない部分につきましては、オンライン参加の方も含めまして、後日講演者の方に質問であれば回答もいただいた上で、それも含めて文字起こしをして公表していくということを考えていますので、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。
本日のシンポジウムは、北海学園大学の濱田先生、水産物安定供給推進機構の坂井参与、そして加藤弁護士と、3名の方に講演をお願いしています。
それぞれの自己紹介などはご本人にお願いするということにして、早速本題に入っていきたいと思います。最初は濱田先生によろしくお願いします。
濱田 武士(はまだ たけし)
1969 年3 月生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院修了、水産経営技術研究所研究員、東京海洋大学准教授を経て、2016 年4月より北海学園大学経済学部教授(現在:北海学園大学開発研究所長兼任)。
単著『伝統的和船の経済−地域漁業を支えた「技」と「商」の歴史的考察』(農林統計出版、漁業経済学会奨励賞)、単著『漁業と震災』(みすず書房、漁業経済学会賞、日本協同組合学会賞)、単著『日本漁業の真実(ちくま新書)』(筑摩書房)、共著『福島に農林漁業をとり戻す』(みすず書房、日本協同組合学会賞学術賞(共同研究))、単著『魚と日本人 食と職の経済学(岩波新書)』(岩波書店、水産ジャーナリストの会大賞、第8回辻静雄食文化賞)、共著『漁業と国境』(みすず書房)、単著『サカナ戦争 グローバル化する魚食と日本漁業の未来』(家の光協会)。
坂井 眞樹(さかい まさき)
東京都国分寺市出身。東京大学理学部及び経済学部卒業。サイモンフレーザー大学経済学修士号取得。昭和56年農林水産省入省。在米日本大使館参事官、国際調整課長、消費安全政策課長、水産庁企画課長、漁政課長、官房政策課長、経営局担当審議官、国際部長、統計部長を経て、在ミクロネシア連邦日本国大使兼在マーシャル諸島共和国日本国大使を最後に退官、損保ジャパン日本興亜株式会社顧問を経て令和元年6月に(公財)水産物安定供給推進機構専務理事。令和6年6月より現職。
加藤 聡一郎(かとう そういちろう)
一橋大学法学部卒業・立教大学大学院修了。2015年弁護士登録。ALPS処理水の海洋放出に伴う禁輸措置の被害を受けた水産加工業者等から相談を受け、東京電力への直接請求やADRセンターへの申立を行うなど、損害賠償請求の支援を行っている。全国漁業協同組合学校講師。季刊刑事弁護新人賞(特別賞)、日本弁護士連合会シルバージャフバ賞受賞。
水産振興 651号