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沿岸漁業対象種の漁獲変化に関する調査研究
—2020年度成果のとりまとめ—

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事業報告書

沿岸漁業対象種の漁獲変化に関する調査研究—2020年度成果のとりまとめ—

要旨

わが国の主要な水産資源の状況は近年、大きな変化を見せています。ニホンウナギやクロマグロは資源の保護・回復が国際的な課題とされ、食卓になじみの深いサンマやサケ、スルメイカ等も漁獲量が大幅に減少し、各地の漁業・水産業に深刻な影響を与えています。一方、北海道におけるブリ等、その地域ではそれまでなじみが薄かった魚種の漁獲量が増えているという例もあります。

それら水産資源の利用に目を向けてみますと、同じ国内でも食文化は多様であり、漁獲量が増えた魚であっても食習慣の無い地域ではあまり消費されていないなど、必ずしも有効利用がなされているとは言えません。しかし、上記のように複数の主要魚種において資源状況や漁獲が低水準にとどまる中では、水産資源のさらなる活用が望まれます。

そこで当会では、水産資源の無駄のない活用方策を検討するための基礎データを得る目的で、沿岸漁業対象種の漁獲状況の長期的変化に関する調査を、2019年度から2020年度の2か年にわたり一般社団法人水産技術協会に委託して実施いたしました。本調査では、沿岸漁業のうち、操業場所が特定されていて、能動的な漁獲行為によるバイアスがかかりにくい“待ち受け型漁法”である定置網漁業を調査対象とし、統計情報の整理・分析を主要な内容といたしました。

下表のとおり2019年度は太平洋側の6道県および日本海側の5道県を調査対象海域(道県)として、1950年代から概ね2016年までの漁獲状況の変化を整理しました。その成果を踏まえ、2020年度は上記調査道県のうち特定の3海域を対象として、海域ごとに定置網一経営体を選定し、それぞれの漁獲記録から漁獲状況の変化を整理いたしました。以上の調査結果は、本ページの下記「ダウンロード」で、各年度報告書PDFおよびエクセルデータにて公表しております。また、その要約版を「水産振興」第632号として公表しております。

調査概要
年度 調査対象
2019年度 (太平洋側)
鹿児島県、高知県、和歌山県、千葉県、岩手県、北海道
(日本海側)
長崎県、鳥取県、富山県、秋田県、北海道
2020年度 北海道海域(森町)、富山県海域(射水市新湊)、長崎県(五島市三井楽町)

目次

  • I 調査の概要
    • 1. 目的
    • 2. 実施体制
    • 3. 実施期間(2020年度調査の実施期間)
    • 4. 調査内容
    • 5. 実施スケジュール
    • 6. 成果物
  • II 調査方法
  • III 調査の結果
    • 1. 北海道海域
    • 2. 富山県海域
    • 3. 長崎県海域
  • IV 資料(魚種別漁獲量の経年変化図)

担当者(執筆、データ収集・解析等)

  • 新井 義昭 (一般社団法人全国水産技術協会研究開発部 部長)
  • 川眞田 憲治 (一般社団法人全国水産技術協会 理事・シニア技術専門員)
  • 石黒 等 (一般社団法人全国水産技術協会 シニア技術専門員)
  • 宮崎 統五 (一般社団法人全国水産技術協会 シニア技術専門員)
  • 田添 伸 (一般社団法人全国水産技術協会 シニア技術専門員)
  • 根本 桃子 (一般社団法人全国水産技術協会研究開発部 主査)
※ 所属・役職は2021年11月現在。順不同・敬称略。

刊行

PDFで公開(下記からダウンロード可)

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