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日本沿岸域における漁業資源の動向と漁業管理体制の実態調査
—平成22年度事業報告—
事業報告書

日本沿岸域における
漁業資源の動向と漁業管理体制の実態調査
—平成22年度事業報告—

要旨

近年、日本の漁業資源の減少傾向について、特に欧米の漁業管理制度との比較のもとで論じられる場面が増えています。しかしながら、日本の漁業は諸外国と比べて対象魚種や漁業種類の数が多く、また増加傾向にある魚種も複数あり、漁業資源の動向には多様な様相が伺えます。

とりわけ沿岸漁業や浅海漁業の対象資源の動向については、漁業による影響のみならず、生息海域の環境変化(人為的な環境改変を含む)や、レジーム・シフトによる影響等、魚種や系群ごとにさまざまな変動要因が考えられます。そうした中、各地では漁業者を主体としたさまざまな漁業管理や資源増殖の取り込みが行われています。

しかしながら、それら漁業の実態や漁業資源の動向については、その多様性ゆえに、必ずしも十分な検証や情報発信がなされているとは言い難い状況にあると思われます。

そこで当会では、日本各地の沿岸域における漁業の実態や漁業管理の取り組みとそれらの対象資源の変動要因等について、現地調査や統計データの解析等にもとづいて明らかにし、沿岸・浅海漁業の持続的発展のための課題と展望を検討することを目的として、2010年度から2012年度の3か年にわたり標記の調査研究事業を実施いたしました。

本調査研究は、下表のとおり、さまざまな漁業資源や漁業種等を対象とした調査研究テーマを設定して現地調査等を実施し、委員会での討議を踏まえ、それぞれ報告書に取りまとめ刊行、公表しております。

調査対象の漁業資源・漁業種(海域・地域・系群)等
年度 調査対象
2010年度 ニシン(石狩湾系群)、ハマグリ(三河湾)、カレイ類(播磨灘)、カツオ(日本近海)、イサキ(大分県)、中・小型まき網(長崎県)
2011年度 ブリ(日本海)、イセエビ(千葉県)、シラス・カタクチイワシ(鹿児島県)、イカナゴ(瀬戸内海)、カレイ類(伊勢・三河湾)、ウナギ(霞ヶ浦等)、トラフグ(東海3県)、カサゴ(宮崎県)、まき網(長崎県)等
2012年度 浮魚類(日本近海)、スルメイカ(日本海沿岸域等)、底魚類(三陸・房総海域)、底魚類(日本海北部海域)、ハタハタ(秋田県)、スケトウダラ(北部日本海系群)、ソウハチ(北海道)、マアナゴ仔魚(東北海域)、ブリ(太平洋)、中・小型まき網(千葉県)、ハマグリ(鹿島灘)、定置網(全国動向)等

※ 上記の他、特定海域における環境変化等に関する調査も実施した。

目次

  • まえがき
  • 第I部 調査研究事業の実施概要
    • I-1 調査研究事業の背景と課題認識-「水産資源乱獲論」と沿岸漁業の資源動向-
    • I-2 調査研究の実施体制
  • 第II部 事例調査報告
    • 1. 北海道西岸の石狩湾周辺のニシンについて
    • 2. 三重県赤須賀漁協のハマグリ復活
    • 3. 瀬戸内海播磨灘のカレイ類漁獲量と埋立・貧酸素問題
    • 4. 日本沿岸におけるカツオの来遊動向とひき縄漁業
    • 5. 大分県におけるイサキの資源管理
    • 6. 九州西部海域におけるまき網漁業の漁業管理と漁業経営

委員等

  • 座長二平 章 (茨城大学地域総合研究所 客員研究員、(社)漁業情報サービスセンター 技術専門員)
  • 委員市村 隆紀 ((社)全国豊かな海づくり推進協会 専務理事)
  • 岡本 勝 ((社)いわし食用化協会 専務理事)
  • 片山 知史 (東北大学大学院農学研究科 教授)
  • 佐々木 克之 ((社)北海道自然保護協会 副会長)
  • 馬場 治 (東京海洋大学海洋科学部 教授)
  • 調査員小坂 安廣 (長崎県旋網漁業協同組合 専務理事)
  • 後藤 友明 (岩手県水産技術センター 漁業資源部 主任専門研究員)
  • 鈴木 輝明 (名城大学大学院 総合学術研究科 特任教授)
  • 濱田 英嗣 (下関市立大学 経済学部経済学科 教授)
  • 山口 幹人 ((独)北海道立総合研究機構 水産研究本部 中央水産試験場 資源管理部 資源管理グループ 主査)
※ 所属・役職は発行当時のもの。敬称略・順不同。

刊行

2011年

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ステータス

冊子:在庫なし

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