うみ・ひと・くらし通信 Vol.10
要旨
全国の漁村や漁業の現場では、数多くの女性が活躍しています。夫婦操業等で各種漁業の海上作業に従事したり、水揚げした魚の選別・運搬、漁具の仕立てや修繕等、さまざまな陸上作業も行っています。また、漁家の女性の多くは漁協女性部のメンバーとして、環境保全や魚食普及等のさまざまな活動を長年にわたって行い、漁業と漁村を支えています。
また近年では、漁家収入の増大(雇用の場の創出)や、未利用魚・低利用魚の有効活用等を目的として、漁協女性部を含むさまざまな形態の漁村女性グループによる経済活動が全国各地で行われています。具体的には、地魚を使った加工品製造・販売、食堂やお弁当での食事提供の他、体験漁業や朝市の運営等、その内容は多岐にわたります。
こうした漁村女性たちによる新たなチャレンジは、地域漁業の維持・発展や漁村の活性化等の大きな活力源となります。そのため、全国の活動状況の把握や情報交流等を踏まえ、これらの活動を支援し拡げていくことは、男女共同参画社会の実現という目標も含めて、漁業・水産業の重要な課題です。
そこで当会では、漁村女性の活動支援や調査研究等を行なう研究者グループ「うみ・ひと・くらしフォーラム」(当時)と連携した漁村女性グループの活動支援を、2008年度より実施しています。具体的には、これまでに主として以下の取り組みを行ってきました。
(1)「うみ・ひと・くらしシンポジウム」の開催(別ページ参照)
(2)「うみ・ひと・くらしミニシンポジウム」の開催
(3) ニュースレター「うみ・ひと・くらし通信」の発行
(4) ジャパン・インターナショナル・シーフードショーへの出展支援
上記のうち「うみ・ひと・くらし通信」は、全国各地の漁村女性グループの活動や商品、「うみ・ひと・くらしシンポジウム(同ミニシンポジウム)」の開催報告、漁村や水産業の活性化に取り組むさまざまな分野の方々などについての情報を幅広く紹介するニュースレターで、2014年度から2019年度にかけて16号を刊行し、公表しております。
なお、当会では2020年度より、漁村女性グループの活動や商品および漁村でのさまざまな活動情報等を幅広く紹介するための専用ウェブサイト「漁村の活動応援サイト」を公開しています。また、「うみ・ひと・くらしフォーラム」は2020年に一般社団法人 うみ・ひと・くらしネットワークに改組し、2022年に公式ウェブサイトを開設しました。それぞれのサイトもぜひ以下よりご覧ください。
漁村の活動応援サイト
https://gyoson.suisan-shinkou.or.jp/
一般社団法人 うみ・ひと・くらしネットワーク 公式サイト
https://umihito.net/
刊行
2017年9月
主な掲載内容
- 若手女子が考える、漁業・地域の今とこれから —フレッシュ・ミズ部会の誕生—
- 磯間のシラスは、伝統の引き寄せ網漁、人の力で獲る(湊浦漁協食堂(和歌山県田辺市磯間)中本京子さん)
- 「うみ・ひと・くらしミニシンポジウム2017 in 奄美大島」を開催しました。
- 街(消費地から) 物産展と商談会