事業報告書
沿岸・沖合漁業経営再編の実態と基本政策の検討—平成17年度事業報告—
要旨
わが国の水産業が内外の諸問題に直面する中で、その健全な発展等を謳った「水産基本法」が2001年に施行、翌年には「水産基本計画」が策定 されました。これらにもとづき、漁業・水産業に関する様々な法制度や施策が展開されています。
こうした新たな制度や施策が、それらの対象となる様々な沿岸・沖合漁業においてさらに有効で有意義なものとして利活用されるためには、各種の漁業がどの様な現状にあり、個別経営の維持・確保のためにどの様な対応を行っているか等についての実態把握と、それらにもとづいた分析や検証も重要になると思われます。
そこで当会では、沿岸・沖合漁業経営等についての実態把握調査等にもとづき、様々な水産施策のあり方を検証し、今後の施策展開に向けての課題等を提言するため、2004年度から2006年度までの3か年にわたり標記の調査研究事業を実施いたしました。
本調査研究は下表のとおり、様々な施策に関する数多くの現地調査や有識者に対するヒアリングを実施し、それらの結果を踏まえた政策課題に関する提言を含め、調査研究成果を各年度の報告書に取りまとめ刊行、公表しております。
※事例調査報告につきましては、著者の許諾に基づきPDF公開しております。
年度 | 主な調査研究課題など |
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2004年度 |
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2005年度 |
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2006年度 |
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目次
- 第1部 平成17年度調査研究のまとめ
- 調査研究の実施概要
- 全体総括
- 重点テーマのまとめ
- 漁業金融制度と中小漁業の再編
- (1) 漁業金融政策をめぐる諸問題
- (2) 「漁特法」改正の政策的意図と適用実態
- 漁業就業者確保対策
- 中核的漁業者協業体事業の効果と課題
- 養殖業における構造変化と政策
- 漁業金融制度と中小漁業の再編
- 第2部 事例調査報告
- 漁業金融制度と中小漁業の再編
- (1) 八戸地区における中小漁業の経営動向と金融政策
- (2) 兵庫県柴山港地区における沖合底曳網経営と金融動向
- (3) 沖合底びき網漁業(2そうびき)における資金需要の現状
—下関地区を事例として—
- 漁業就業者確保対策
- (1) 担い手政策としての漁村女性起業化グループ支援—千葉県勝浦市・新勝浦市漁協川津支所漁協女性部のトコロテン加工販売について—
- (2) 漁業外部からの新規参入に関する実態調査—神奈川県福浦地域の事例—
- (3) 漁村女性起業化グループ取組支援事業の評価と課題
—岡山県・邑久町漁協女性部起業化グループを事例として— - (4) 外国人漁業研修制度における漁業労働力の確保
—宮崎県南郷町の定置網漁業での事例—
- 中核的漁業者協業体
- (1) 中核的漁業者協業体・羽幌町ホタテガイ養殖グループ
- (2) 中核的漁業者協業体事業による定置漁業経営改善の取り組みとその評価
—茨城県会瀬漁協を事例として— - (3) 中核的漁業者協業体等取組支援事業の現状と課題
—滋賀県琵琶湖「瀬田川シジミ漁場管理協業体」の事例— - (4) オーナー制カキ養殖協業体(からつんカキ部会)の支援
- (5) 「北浦漁協まき網船協業体」および「北浦養殖マサバ協業体」
- (6) 沖縄県本部漁業協同組合モズク養殖生産部会の活動と中核的漁業者協業体等取組支援事業
- (7) 沖縄県石川・宜野座漁協における中核的漁業者協業体の取組事例とその評価
- 養殖業における構造変化と政策
- (1) ぶり類養殖業に見られる企業型養殖の展開と政策的課題
- (2) 佐賀県におけるノリ養殖協業化の展開—すすむ構造改革の現状—
- 漁業金融制度と中小漁業の再編
委員等
- 座長 (北海道大学大学院水産科学研究院 教授)
- 主査 (東京大学社会科学研究所 教授)
- 〃 (東京海洋大学 海洋科学部 教授)
- 委員 ((有)水産経営技術研究所 代表取締役)
- 〃 ((社)漁業情報サービスセンター 業務参事)
- 〃 ((株)水土舎 代表取締役)
- 〃 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所水産経済部 部長)
- 〃 (農林中央金庫水産部 部長 ※2)
- 〃 (水産庁資源管理部管理課 資源管理推進室長)
- 〃 (香川県農政水産部水産課 課長補佐)
- 〃 (全国漁業協同組合連合会 代表理事専務)
- 〃 (兵庫県柴山港漁業協同組合 代表理事組合長)
- 〃 (明海大学経済学部 教授)
- 調査員 ((独)水産大学校 助教授)
- 〃 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所 研究員)
- 〃 (長崎大学水産学部 助教授)
- 〃 (東京海洋大学海洋科学部 助手)
- 〃 (鹿児島大学水産学部 助教授)
- 〃 (広島大学大学院生物圏科学研究科 大学院生)
- 〃 (近畿大学 COE博士研究員)
- 〃 (東京海洋大学海洋科学部 助手)
- 〃 ((独)水産大学校 助教授)
- 〃 (北海道大学大学院水産科学研究院 助教授)
- 〃 ((独)水産大学校 教授)
- 〃 ((独)日本学術振興会 特別研究員)
- 〃 (東京大学空間情報科学研究センター 客員研究員)
※1 所属・役職は発行当時のもの。敬称略・順不同。
※2 平成18年2月8日までは、河辺委員の前任部長の小林淳一氏にご就任頂いた。
刊行
2006年
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ステータス
冊子:在庫あり