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構造再編下の水産加工業の現状と課題—平成22年度事業報告—

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事業報告書

構造再編下の水産加工業の現状と課題
—平成22年度事業報告—

要旨

水産加工業は、鮮魚とは異なる特長を有する様々な加工食品あるいは食品製造用の原料等を供給するとともに、地元水揚げの水産物を主な原料とすることにより日々変動する水揚高と鮮魚需要との間で需給バランスを調整し産地価格を下支えするという、地域の水産業にとって欠くことのできない重要な役割・機能を担っています。

また、そうした機能性を背景として、特に水揚げ規模の大きな漁港の背後地には、各種の水産加工業が集積した水産加工産地が形成され、全国各地に、漁業や産地市場と水産加工業とが一体となって発展する水産都市を生み出してきました。

しかし近年では、我が国周辺海域の水産資源の減少傾向、国民の水産物消費の変化(魚の調理離れ、食の簡便化志向)等を背景として、加工原料の調達先や製品の販売チャネル等、様々な局面において水産加工業の経営環境は大きく変化し、構造再編が進みつつあります。

そこで当会では、全国各地の水産加工産地や各種水産加工業がそれぞれどのような現状にありいかなる課題を抱えているのかを把握し、構造再編が進む水産加工業界の今後の発展方向や存立条件等を明らかにするため、2009年度から2011年度の3か年にわたり標記の調査研究事業を実施いたしました。

本調査研究は下表のとおり、代表的な水産加工産地および水産加工業種等を対象として、横断的な視点による特定の研究課題および特定の加工業種から見た加工産地の現状と課題について、それぞれ現地調査等を実施し、委員会での討議を踏まえ、調査研究成果を報告書に取りまとめ刊行、公表しております。

調査研究概要
年度 特定の研究課題(事例調査地) 特定の加工業種(加工産地)
2009年度 主力水産加工産地の現状と課題(釧路、八戸、気仙沼、銚子・波崎、焼津) スルメ(松前・福島)、アジ塩干(沼津)、シラス(吉田・用宗)、ウナギ(静岡県)、淡水魚介(琵琶湖沿岸)、底魚(香美)、ねり製品(八幡浜・宇和島、高知、長崎)、節類(枕崎)、モズク(沖縄県)
2010年度 ねり製品産業に及ぼすすり身供給の動向、外国人労働力(下関)、食品量販小売業による水産加工商品開発(北海道) 筋子・イクラ(釧路等)、ダルマ(函館・八戸・大畑)、ねり製品(石巻・塩釜・仙台)、シラス(大洗)、塩干(大洗)、タコ(那珂湊)、淡水魚(霞ヶ浦沿岸)、サバ類輸出(銚子・波崎)、かつお節(焼津)、アジ塩干(沼津・唐津・松浦)、節類(枕崎)、モズク(恩納)
2011年度 水産加工業の展開と振興施策、水産加工団地の形成と立地企業の協同事業(焼津)、糸満工業団地水産食品関連用地とソデイカ加工業の成立(糸満)、すり身需給動向とねり製品産業 イカ乾燥珍味(函館・北斗)、青物加工(八戸・石巻等)、アジ等塩干(小田原)、シラス(御前崎)、かつお節関連製品(焼津・枕崎・山川)、ウナギ(宮崎県・鹿児島県)

目次

  • 第I部 調査研究事業の実施概要とまとめ
    • I-1 調査研究の実施概要
      • 1. 事業の目的
      • 2. 既往の成果と課題
      • 3. 調査研究方法
      • 4. 調査研究の実施体制
    • I-2 平成22年度調査のまとめ
      • 1. 横断的視点に立った特定課題の設定
      • 2. 特定水産加工業・水産加工地域に関する課題推進
  • 第II部 事例調査報告
    • II-1 水産加工業に関する特定の研究課題
      • 1. 我が国のねり製品産業に及ぼすすり身供給の動向
      • 2. 構造再編化の水産加工業における外国人労働力の現状と課題-下関市の外国人研修・技能実習生を中心に-
      • 3. 食品量販小売業による水産加工品の商品開発-コープさっぽろによる水産加工品開発と提携企業-
    • II-2 特定の水産加工業から見た加工産地の現状と課題
      • 1. 道東地方における筋子・イクラ製造業の成長と再編
      • 2. 北海道函館市・青森県八戸市周辺におけるダルマ加工業の現状と課題
      • 3. 宮城県におけるねり製品加工業の現状と課題
      • 4. 茨城県におけるシラス加工業の現状と課題
      • 5. 茨城県大洗町における塩干加工業の現状と課題
      • 6. 茨城県ひたちなか市におけるタコ加工業の現状と課題
      • 7. 茨城県霞ヶ浦沿岸地区における淡水魚加工業の現状と課題
      • 8. 千葉県銚子市・茨城県波崎地区におけるサバ類等原料輸出と水産加工業の課題
      • 9. 焼津市のかつお節加工業をめぐる環境変化と対応実態
      • 10. アジ塩干加工業産地の現状と課題-原料調達を中心として-
      • 11. 末端ニーズの変化に対する節加工業者の対応と産地の展望-枕崎地区を事例として-
      • 12. モズク加工業の現状と課題-マーケット縮小化でも順調な生産を続ける恩納村漁協の動き-

委員等

  • 座長田坂 行男 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所 水産経済部 部長)
  • 委員工藤 貴史 (東京海洋大学海洋科学部 准教授)
  • 濱田 武士 (東京海洋大学海洋科学部 准教授)
  • 廣田 将仁 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所 流通システム研究室 研究員)
  • 福田 裕 ((独)水産大学校 特任教授)
  • 増井 好男 (東京農業大学 名誉教授)
  • 三木 克弘 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所 流通システム研究室 室長)
  • 宮田 勉 ((独)水産総合研究センター中央水産研究所 経営システム研究室 室長)
  • 三輪 千年 ((独)水産大学校水産流通経営学科 教授)
  • 調査員上原 政幸 ((有)沖縄地域ネットワーク社 代表取締役)
  • 久賀 みず保 (鹿児島大学水産学部 助教)
  • 坂爪 浩史 (北海道大学大学院農学研究院 准教授)
  • 清板 晃平 (東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科 大学院生)
  • 副島 久実 ((独)水産大学校水産流通経営学科 助教)
  • 塚本 礼仁 (滋賀県立大学地域文化学科 講師)
  • 中原 尚知 (東京海洋大学海洋科学部 准教授)
  • 三木 奈都子 ((独)水産大学校水産流通経営学科 准教授)
※ 所属・役職は刊行当時のもの。敬称略・順不同。

刊行

2011年

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ステータス

冊子:在庫なし

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