2019年9月の「水産振興ONLINE」開設以来、『水産振興』は印刷冊子およびウェブ版で皆様にご愛読いただいてまいりましたが、第635号の刊行を以て印刷冊子は終了し、第636号以降はウェブ版のみの公開とさせていただきます。つきましては、今後、新刊情報を電子メールでお知らせしてまいりますので、「メール配信登録」よりご登録いただき、引き続き「水産振興ONLINE」で『水産振興』をご覧ください。
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長谷:第1回では、皆さんのことをいろいろと教えていただき、ありがとうございました。
それでは次に、復旧復興の過程で皆さんは何を考え、それがフィッシャーマン・ジャパン(以下FJ)の活動にどう結び付いていき、現在はどんなことを感じているのかについてお話を聞かせください。
ノルウェーの漁業管理はしばしば模範的なものとして話題になり、我が国にも信者ともいうべき発言を繰り返す人がおられます。確かに、ノルウェー水産業の産業的成功は世界の中で目立ったものと言えるでしょうが、当然ながらノルウェーはその置かれた条件の中で、試行錯誤を繰り返しながら現在の状況に至ったものです。
つづきを読む私が「うみ・ひと・くらしネットワーク」に初めて出会ったのは、JF全漁連職員になって2年目の夏。2014年に鹿児島県の指宿で開催された「うみ・ひと・くらしシンポジウム」だった。それは、漁村女性の活躍をテーマに活動する女性研究者たちのグループ「うみ・ひと・くらしフォーラム」が主催の、異色のイベント。漁村で加工品をつくったり起業をしたりと、地域の課題にあわせて様々な活動をする女性グループが自慢の商品を持ち寄り、情報交換を行う。
つづきを読む従来対象水域が領海内だった再エネ海域利用法(海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律)の改正法案が今の国会に提出されています。改正案では、名称も単に「…発電設備の整備に関する法律」とされています。施行はまだ先の話ですが、今から検討すべきことがあります。
つづきを読むノルウェーの漁業はしばしば漁業管理の模範的な例として挙げられる。資源は守られ、漁業は多くの利益をあげ、漁業者は大きな漁船の上で幸せに漁業をしていると考えられがちだ。こういった話を漁業関係者ならば一度は聞いたことがあるのではないだろうか。その成功は目覚ましいものがあるが、当然ながらノルウェー漁業も完璧ではなく、課題も抱えている。
つづきを読む国内漁獲量の大幅な減少や市場外流通の増大など、近年、水産物流通を取り巻く状況は大きく変化しています。そうした中で、今後のわが国の水産物流通のあり方について現状を把握し、水産業界全体で課題を解決していく必要性が高まっています。そこで(一財)東京水産振興会では、東京都中央卸売市場(築地・豊洲)に長年勤務し、水産物流通に関する様々なデータを整理・分析されている浦和栄助氏(東京都水産物卸売業者協会 専務理事)より学習会形式で話題提供をいただき、その内容を当コラムで連載することにいたしました。
つづきを読むいわし類・さば類・サンマは小型浮魚類あるいは多獲性浮魚類と呼ばれ、大量に漁獲されてきたほか、大型魚類や鯨類などの餌としても重要である。また、魚種交替や生態系の構造転換(レジーム・シフト)として知られるように数十年規模で資源量が変動してきた。ここでは、マイワシ・カタクチイワシ・マサバ・サンマについて、資源の動向に加えて地球温暖化の影響など、気になることをまとめた。
つづきを読む高度回遊性魚種である太平洋クロマグロについて、我が国では、中西部太平洋まぐろ類委員会(以下「WCPFC」)の決定に基づき、2015(平成27)年から太平洋クロマグロの30キログラム未満の小型魚(以下「小型魚」)の総漁獲量を4,007トンに制限する措置等を実施している。水産振興第589号及び第590号では、「太平洋クロマグロの小型魚漁獲半減に向けた取組について」と題し、①2014(平成26)年のWCPFCにおける半減措置決定までの国際的・国内的な対応や、②半減措置決定以降の国内対応が取りまとめられている。
つづきを読む豊洲市場の歴史的な移転事業の最後を飾る施設として、6街区の場外に待望の賑わい施設「豊洲 千客万来」が2月1日に開業した。開場から丸5年遅れ、客入りを懸念する声もあったものの、オープン1か月以上を経ても平日を含め大勢の人が押し寄せている。場外市場に期待された活気や賑わいづくりの役割をここまでは十二分に果たしている。
本連載の番外編に登場するのは、事業者の万葉倶楽部(株) で新規開発事業を担当する高橋眞己副社長 (62)。
フィッシャーマン・ジャパンは宮城県石巻市を拠点として若手漁師を中心に活動する団体で、次世代へと続く未来の水産業の形を提案すべく、人材育成や水産物の流通改善、海の環境保全などさまざまなプロジェクトを手掛けています。(一財)東京水産振興会では以前にウェブサイト『漁村の活動応援サイト』で活動の一部を紹介しましたが、2023年始動の「ブルーファンド」など、さらなる活動紹介のため同年11月にリーダーの方々との対談を実施し、その内容を皮切りとして新たな連載を開始します。
つづきを読むラスパルマスとは、アフリカ沿岸に位置し、7つの島から成るカナリア諸島のひとつであるグランカナリア島の県都だ。年間を通して温暖な気候が特徴で、島の中に砂漠地帯がある程カラっとしている。のんびり過ごせるビーチがあったり、味わい深い建物を眺めながら石畳を散策できたり、美味しいスペイン料理が味わえたりと、魅力あふれるリゾート地として人気だ。サハラ砂漠で有名なモロッコの近くなのだがスペイン領であることから、ヨーロッパ各地からの観光客が多い。アジア圏から遠く離れるため、アジア人の姿がかなり少ないのも特徴の1つである。そんなリゾート地が一体なぜ今回のコラムのタイトルなのかというと、なんと、日本の遠洋マグロはえ縄漁船の主要な寄港地なのだ。2023年5月に出港した三重県尾鷲市の第87長久丸が、ラスパルマス港に入港するタイミングである同年9月に撮影のため渡欧した。
つづきを読む海遊館を辞め、フリーで活動をしていたころ先輩からのお声がけで、夏休み期間に地方都市のデパートの催事場などで行う移動水族館の現場管理を数シーズン任されたことがある。それが毎回心身ともに疲れはててしまうのだ。毎回、開催中にいくつかの水槽が、魚病によって魚が全滅という悲惨な状態になってしまうこともあるのだ。そんな悲惨なことにならないように毎日毎日水槽の管理に気を使いすぎ、移動水族館の最終日が近づくころには心身共にくたくたになる。
つづきを読む北日本の日本海沿岸で獲れるハタハタは、スズキ目ハタハタ科の魚で、通常は水深250メートル前後の深海底に棲息し、冬型の低気圧が強まり、時化によって海水が攪拌され沿岸水温が低下すると、水深2~3メートルの藻場に産卵のためにやってくる。漢字では「鰰」「鱩」「神魚」「雷魚」「神成魚」「波太多雷魚」「佐竹魚」などと表現される。ハタハタの塩漬けや干物は正月用の食べ物となり、「鰰」の文字には、ハタハタがなければ正月が迎えられないといった気持ちが込められているのだろう。
つづきを読む東京・豊洲市場は世界一の水産市場として注目度が段違いなだけに、場内やその周辺は、業界関係者らにピンポイントで訴えかけるイベント開催地として魅力ある場所といえる。とはいえ、都が開設する公設市場で公的スペースである場内と、民間事業者の管理する場外とでは、できることが異なる。最終回となる「豊洲市場活用マニュアル」では、イベントを開きたい行政・団体向けに留意する点を取りまとめた。
つづきを読む下間帆乃(ほの)、1999年秋田県生まれ。秋田県立男鹿海洋高等学校海洋科を卒業、豊洲市場にある冷蔵冷凍保管事業を主とする株式会社ホウスイに入社して6年になる。
つづきを読む東京電力福島第一原子力発電所の敷地内タンクに貯まり続けているALPS 処理水の海洋放出計画に対して、日本の漁業者は反対の姿勢を貫いている。本稿では、現在まで続く原子力災害=原発事故の影響で、苦しい立場に置かれ続けている福島県の漁業や水産物マーケットの動向などを踏まえ、海洋放出計画に対して漁業者が不信感を抱き、反対を表明する理由を明らかにするとともに、国として果たすべき責任について述べる。
つづきを読む漁業共済とは損害保険のことである。漁業にとって不漁は付き物といってよいが、2011 年度民主党政権が創設し、内閣交代後自民党が継承し、資源管理・漁業所得補償制度が水産政策の基調となった。それはユニークな収穫高保険(価格×数量)である漁獲共済①・特定養殖共済②ならびに、通常の物損保険である養殖共済③―3 共済―からなり、漁具共済・地域共済が加わる。
つづきを読む洋上風力発電については、2018年12月に成立した再エネ海域利用法に基づき検討が本格化し、21年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における2030年までに10GWの案件形成をという目標に対し、これまでに秋田県、新潟県、千葉県、長崎県において約3.5GWの案件がまとまってきました。
つづきを読むコラムも最後の連載となりました。この最終回まで全15回、行政、研究者、漁業者、企業など多方面から寄稿していただいたおかげで、いまや不可避となった温暖化対策について、海辺ではどのようにブルーカーボンを展開していけるか、展開していく上での問題点は何か、包括的に考えることができました。本コラム全体の内容をまとめると、行政では、各省庁が脱炭素社会の構築にむけて、ブルーカーボン吸収源の制度化と海藻バイオマス活用の推進を目指していました。それを受けて、地方自治体が浜と一緒になって運用試験を開始していました。浜でも、漁業者が独自に取り組んできた藻場再生や磯焼け対策に加えて、気候変動対策という大きな目標をやりがいに変えて、よりいっそう活動を発展させようとする気概を感じることができました。このような動きに企業が賛同し、自社の社会への責任だけでなく、地球環境と人間社会の持続可能性を向上させるべく、熱意をもってSDGsの達成や気候変動対策に取り組む姿を垣間見ることができました。
つづきを読む東京水産振興会が60年以上の事業のなかで蓄積してきた膨大な水産業資料の一部を閲覧できます。逐次追加。
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